根本 匠ねもと
たくみ

　愛知県が2023年招致を目指す技能五輪国際大会の総会が令和元年（2019年）8月21日、ロシアのカザンで開かれ、根本は政府代表として会議に出席し、誘致活動を繰り広げた。ライバルはフランスのリヨン。根本に与えられたプレゼンテーションの時間は1分20秒。その中で根本は、自身の名前であり技能を競う技能五輪のコンセプトにぴったりの「匠」の意味をプレゼンテーションの内容に盛り込んだ。その背後には自筆の「匠」の文字が大きく表示され、会場の聴衆から大きな拍手を受けた。結果は残念な結果となったが、悔いのない敗戦であった。

　令和元年（2019年）9月1日から2日間にわたって「G20労働雇用大臣会合」が愛媛県松山市で開催され、根本は議長を務めた。同会合は「人間中心の仕事の未来」のテーマの下で、①人口動態の変化、②ジェンダー平等、③新しい形態の働き方について議論が行われた。その中で根本は、最も高齢化の進んだ日本における高齢者雇用施策や、女性の活躍の促進に不可欠な長時間労働の是正などの働き方の見直しなどについて発言。各国・国際機関による活発な議論がなされた会合の最後に、高齢になっても働きやすい、健康的で安全な労働環境整備の推進を盛り込んだ大臣宣言を採択し閉幕となった。
　なお、初日の夜に開かれた厚生労働大臣主催の夕食会で、福島の地酒を用意し、世界にPRするのを根本は忘れていなかった。