トピックス 2005年
匠の十大ニュース
根本匠です。今年も残り少なくなってきました。
今回は根本匠の2005年を振り返ってみます。題して「匠の十大ニュース」
(1)解散・総選挙
トップニュースは第44回衆議院議員選挙(9月11日投開票)。小泉構造改革路線を前面に押し出した総選挙の帰趨は、戦いの当事者である私たちにもなかなか見えてこず、厳しい選挙戦となりましたが、獲得票は12万5,447。皆さんの熱い支持に支えられ5選を果たすことができました。
以下、順不同です。
(2)大雪被害
1月中旬、地元・福島で大雪によりパイプハウスや畜舎の倒壊などの被害が発生、交通や農業経営などに深刻な影響をもたらしました。私も地元選出の国会議員として、豪雪の被害状況を調査すべく安達郡東和町を訪問、雪害の凄まじさを実感しました。今年も暖冬予報が20年ぶりの「寒冬」に変わりました。雪害が心配です。
(3)予算委で質問
2月21日、衆議院予算委員会で社会保障に関する集中審議が行われ、久々に質問に立ちました。年金問題について「スウェーデンの改革は、プロセスにおいても示唆に富んでいる」と、3党合意に基づく協議の場を早急につくるよう提案。尾辻厚労相(当時)から前向きの答弁を、野党委員からも私の意見に同調する発言を引き出しました。
(4)郡山・二本松市長選挙
商都・郡山の市長選挙(4月10日投開票)は、自民党の原正夫県議と、同じく自民党の佐藤憲保県議による事実上の一騎打ちとなり、原さんが勝利を収めました。
一方、新市発足に伴う二本松市長選挙(12月25日投開票)は、自民推薦の高宮敏夫候補が善戦及ばず現職の三保恵一候補に敗れました。残念です。
(5)日本再生の処方箋
中長期的な経済社会の活力を維持・強化していくにはわが国産業の競争力を強化する必要があり、産官学挙げての取り組みが求められます。その処方箋が、自民党の国際競争力調査会が7月下旬にとりまとめた「我が国国際競争力強化に向けた提言」です。私は、この調査会の事務局長として議論をリードし、実質的なとりまとめ役を務めました。
(6)候補者公募制度
私には幾つもの肩書きがあり、安倍晋三本部長を補佐する副本部長(現在は本部長代理)を務めた党改革実行本部の活動も多忙をきわめました。「政治の血液サラサラに」を合い言葉に自民党が打ち出した国政選挙の候補者公募制度もその一環で、9月の総選挙において杉村太蔵君ら80人を超す新人議員誕生の原動力となりました。
(7)戦略的広報
党7役の1つ、広報本部長として戦略的広報の強化に取り組みました。小泉総裁をどうやったら党の顔としてさらに際立たせることができるか、自民党の活動をより多くの有権者の方々に理解してもらえるか等々、専門家とのバトルトーク(闘論)を重ね、せっせと戦略的広報のタネをまきました。その結果が、「自民圧勝」に終わった総選挙です。
(8)郡山湖南線三森第1工区開通
郡山市と会津地方を結ぶ幹線道路「郡山湖南線」のバイパス計画のうち延長293mの多田野トンネルと145mの多田野大橋を含む850m区間が完成。12月3日に開通式が行われ、私も来賓として招かれました。道路関係予算は厳しい状況にありますが、これからも地方道路の重要性と早期整備の必要性を強く訴えていきます。
(9)「まちづくり3法」見直し
与党・政府の「まちづくり3法」見直し案が12月21日にまとまり、関連法の改正案を次期通常国会に提出します。郊外への都市機能の拡散で空洞化という難しい問題を抱え込んだ中心商店街を活性化、お年寄りが歩いて暮らせるようなまちづくりを促すもので、党中心市街地活性化調査会事務局長として見直し案のとりまとめに奔走しました。
(10)日本の人口、初の自然減
戦後の一時期を除き一貫して増え続けてきた日本の人口が、ピークを越えて下り坂に入りました。人口減少社会の到来は予想されていたことですが、いざその日が来たかと思うと、少子化対策の強化が急務であると痛感します。少子・高齢化政策は私のライフワークでもあり、これからも一所懸命に取り組んでいきます。
政策課題が目白押し
根本匠です。誰も予想できなかった「自民296議席」の圧勝となった総選挙から2カ月。本来なら、選挙戦の余韻がまだ残っているところですが、息つく暇もないまま特別国会が召集され、慌ただしく時が過ぎました。
その特別国会も今月1日に閉幕、前日に組閣された第3次小泉改造内閣が本格的に始動し、自民党の新体制も発足しました。
小泉内閣は、次の総理・総裁が選ばれる来年9月までの10カ月余の間に小泉構造改革の総仕上げに取り組むことになります。
政策課題は、財政再建、政府系金融機関の統廃合、医療制度改革、三位一体改革、特別会計改革、公務員人件費削減等など、難しい問題が目白押しです。
これまでタブー視されてきた消費税率の引き上げについてもしっかりと議論しなければなりませんし、憲法改正問題も避けて通れない重要な課題です。
私自身は、党の広報本部長の激務からようやく解放されましたので、少し腰を落ち着けて党の側から政策課題に取り組み、小泉内閣をバックアップしていきたいと考えております。
中長期的な課題としては、憲法改正問題と安全保障の問題にも積極的に取り組むことにしています。
浜内千波先生の心強い応援
前国会で、「食育基本法」を成立させましたが、力強い助っ人が現れました。料理研究家の浜内千波先生です。
実は、浜内先生には、今回の総選挙に当たり、私の応援のために、二本松市で開催しました「女性の集い」の講師として出席していただきました。集いは大盛況、参加して下さった800名を超える女性の方々を魅了する、すばらしいお話を頂戴していたのです。
この会合をセットした選対本部のスタッフは、集いのたいへんな盛り上がりを感じ取り、選挙の勝利を確信したそうです。
今日は、御礼を申し上げるのが第一の目的でしたが、話しはおおいに弾み、「全国に鍋・釜を持って『食育』を一人一人の家庭から」という浜内先生のアッピールには共鳴しました。再会をお約束しましたが、先生のお考えを、皆様にもあらためてご紹介させていただきたいと思います。
さあ、特別国会だ。頑張るぞ !!
多くの皆様のあたたかいご支持・ご声援を背に、無事五選を果たすことができました。心より厚く御礼申し上げます。
根本 匠 | 125,447(自) |
増子輝彦 | 100,949(民) |
佐藤克朗 | 11,221(共) |
自民党は新世代・改革政党
マスコミなどで「二大政党」論が喧伝されていますが、民主党は今なお問題追及型、ますます野党らしくなっています。
「二大政党」とは名ばかり、実相は「1(自民)と1/2(民主)」。政権政党たる自民党と、政権担当能力に疑問符の付く守旧派政党の差は一目瞭然です。
日本の未来のために改革を進めるか、後退させるか。答えはハッキリしています。皮相な「二大政党論」や心地よく響くポピュリズム(大衆迎合主義)に惑わされることなく、新世代自民党・改革自民党とともにわが国の歴史や文化、伝統を大切にしつつ、統治責任を全うする健全な保守政党の下でぬくもりのある改革に取り組み、新しい時代を切り開いていこうではありませんか。
「健全な保守政党」の下で日本再生の総仕上げ
根本匠です。8日開かれた参議院本会議で「郵政民営化法案」が否決され、「解散・総選挙」ということになりました。
衆議院の段階で修正された同法案に賛成した私たちと、反対票を投じた自民党の同僚議員たちとの間に大きな違いはないのですが、感情の行き違いがこのような事態を招いたわけで、残念としか言いようがありません。
しかし、選挙となるからには勝たねばならない。厳しい選挙戦になりますが、政治家の良心と良識をかけて最後まで戦い抜く覚悟です。
衆議院議員となって4期12年、政治家として「政策本位の政治」を貫き、バブル崩壊で疲弊しきった日本経済の再生に取り組んできました。
経済再生のプロセスは、小泉政権の「聖域なき構造改革」によって加速され、いよいよ仕上げの段階に入ろうとしています。デフレの出口も見えてきつつあります。
この大事な局面で「政治の空白」をつくっていいのか、という批判も聞こえてきますが、自民党が今後も政権を維持し続けるには今回の「解散・総選挙」は避けて通れません。
今年は、戦後60周年、自民党にとっても結党50周年の節目の年であり、我が自民党が「健全な保守政党」に生まれ変わる好機です。いや、必ず「健全な保守政党」、新しい自民党に生まれ変わってみせます。
経済に限らず、内政・外交でも課題を抱える日本の「再生」は、考え方がバラバラで方向性の見えない政党に任せるわけにはいきません。
「政策本位の政治」を追求する根本匠と「健全な保守政党」を目指す自民党。「日本再生」は私たちにしか成し得ません。引き続きご支持・ご声援をお願いします。
国際競争力強化調査会の提言まとまる
根本匠です。台風一過、連日猛暑が続いています。
この暑さで熱中症(熱射病、日射病など)に罹る人が増えていますので、水分の補給や休憩を十分に取るなどの対策に努め、健康には呉々もご留意下さい。
ところで、自民党が政務調査会内に「国際競争力調査会」を設置、わが国産業の国際競争力を強化するための総合的な対策の検討に着手したことは、3月8日更新のトピックスでご紹介しました。
この調査会は、与謝野馨政調会長が会長を務め、村井仁会長代理と事務局長の私が補佐。週1回の頻度で精力的に議論を行い、集約された意見を「我が国国際競争力強化に向けた提言」としてとりまとめました。
この提言は、29日の党総務会の了承を経て政府に提出。これを受ける形で政府が来月2日、国内産業の国際競争力強化に向けた関係閣僚会合を開催し、私たちの提言を踏まえた競争力強化のための具体策づくりに入ります。
提言の内容については、近日中に私のHPでもご紹介します。
「WOMANオープンカレッジ」開催
根本匠です。先週末(9日)、私の地元・郡山で自民党中央政治大学院の「WOMANオープンカレッジ」を開催しました。
今回のオープンカレッジには、山形県銀山温泉「藤屋」の青い目の若女将として有名な藤ジニーさんと、元プロサッカー選手で横浜FCゼネラルマネージャーの奥寺泰彦さんを講師として招き、豊富な体験を基にした貴重なお話をうかがいました。
無論、私も広報本部長としてカレッジに参加、主催者を代表して「今の日本には元気がありません。潜在的な日本の活力を引き出すために、少子高齢社会や財政の健全化などの難問解決に邁進して参ります」とご挨拶しました。
以下、ジニーさんと奥寺さんの講義内容をご紹介します。
藤ジニーさん(「嫁、女将、母 異文化の中で」)
幼い頃から日本に憧れていました。着物姿の芸者さんなどには大変憧れていました。大学生のときに初来日し、卒業後、山形県の英語教師として採用されて 主人と知り合い結婚、今日に至っております。
日本人の嫁と同じになろうと思い頑張ったのですが無理でした。そこで日米のよいところを織り交ぜて、旅館の仕 事、女将の仕事、嫁や母の役割をこなせばいいと気付きました。そうすることで無理なく、自然にやれるようになりました。その中で特に子育てに関しては、 アメリカ式で女将の仕事を休んでも他人任せにしません。ジャクリーヌ・ケネディーの言葉に、「子育てに失敗した人は、何一つ成功したとは言えない」とあ りますが、全く同感です。今年でちょうど、アメリカでの生活と日本での生活が同じ歳月になりました。これからも日米の考え方を交えながら私なりに努力していきたいです。自分で選んだ道は間違ったとは思っていませんから。
奥寺泰彦さん(「いくつになっても楽しめるスポーツ」)
9年間ドイツで生活していましたが、スポーツをする環境が大変整ってました。日本のように学校の部活動はありません。地域のいろいろなクラブに通っ ています。大人もそこもメンバーなので、地域のコミュニティーとなっています。
スポーツというと身構えてしまいますが、身体を動かすことがスポーツなの です。鍛える必要はなく、楽しんで身体を動かすだけでいいのです。スポーツと並んで食事も大切です。今の子供は大きいけれども体力が落ちています。美味 しいものばかり食べて身体にいいものはあまり食べていないから。どうか皆さんも、食を楽しみ、楽しみながら身体を動かし、大人がそれらを大切だと子供に 教えていただきたい。そして、いつまでも若く常にリフレッシュしてもらいたい。そのためにも身体を動かしてください。
「食育キャンペーン」を展開します
以前、日記でご紹介しましたが、自民党は今年3月、「国際競争力調査会」を立ち上げ、わが国の産業・技術・人材育成など各分野の国際競争力を強化するための総合的な対策づくりを進めています。私はこの調査会の事務局長を務めています。
調査会で議論する項目は多岐にわたり、農業の競争力強化も重要なテーマです。日本の消費者に安全・安心を重視する新しい価値観が広まっていることに加え、アジアの経済力の発展に伴って新しい市場が育っているからです。
安全・安心を重視する価値観の下では、国産の農産物もスーパーや食品メーカーなどへの直接の流通・販売を重視し、他産業の販売ノウハウを生かしていけば、輸入品より国産品が選択される状況を作り出すことは十分可能です。
日本の食糧自給率が下がったのは高度成長期からだですが、暮らしが豊かになると食生活も変わります。日本がかつて経験したことがアジアでも起きており、付加価値の高い日本の農産物を輸出するチャンスが訪れようとしているのです。
食育も重要なテーマです。日本人の食生活は、伝統的に主食であるお米を中心に、野菜・畜産物、水産物などを取り揃えた栄養バランスの良いものでしたが、戦後の食料不足の時期を経て、国民生活の向上とともに、主食のお米の消費が減少するなど、日本人の栄養に偏りが見られるようになってきました。
お米を食べると生活習慣病にかかりにくくなります。お米を食べれば、からだも日本の農業も元気になります。日本人はもっともっと自国の農産物を食べるべきです。
そこで、わが自民党が中心になって取り組んできた「食育基本法」の成立を機に、食育を国民運動として盛り上げていくために、我が党独自の「食育キャンペーン」を展開する方針です。
知育・徳育・体育・食育、この足並みが揃うことが、日本の将来にとって極めて重要なのです。
JR福知山線事故に衝撃
4月25日朝、兵庫県尼崎市のJR福知山線で起きた快速電車の脱線事故は、死傷者が500人を超える大惨事となってしまいました。事故を防ぐ手立てはなかったのか。今はただただ憤懣やるかたない思いでいっぱいです。
犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々に対しましてお悔やみと、お見舞いを申し上げます。また、被害に遭われた方々に対しましても心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早い快復をお祈り申し上げます。
事故への政府の対応については、国土交通省から「現時点では詳細な事故原因は不明だが、被害者への対応を最優先するとともに事故原因の究明と再発防止について全力で取り組んでいく」と聞いております。同省をはじめ関係省庁には、連携を蜜にして事故の対応に万全を期していただきたい。
また、交通機関は多くの人々の命を預かっているわけですから、陸にせよ空にせよ海にせよ、各交通機関は今回の事故を「対岸の火事」と思わず、事故の防止に向け安全対策を徹底するよう求めます。
政治の血液サラサラに〜広がる候補者公募の動き
根本匠です。来週末からいよいよゴールデンウイークへ突入しますが、皆さんはどんなレジャープランを立てていますか。
私は、党務や地元(福島2区)での活動などに追われ、大型連休の実感はたぶんないでしょうが、政治家は忙しいうちが花。激務を存分に楽しみたいと思います。
ところで自民党での私の活動は、ご存知のようにメインの広報本部長や党改革実行本部の副本部長、国際競争力調査会の事務局長、財政改革研究会の委員、ほかにも住宅土地調査会・住宅金融改革小委員会の委員長や社会保障制度調査会の副会長など、自分でも幾つのポストを兼務しているのか分からなくなってしまうほどです。
このうち広報本部や党改革実行本部の活動については『トピックス』や『フォトギャラリー』で頻繁にご報告していますが、国政選挙の候補者公募制度を広めることも党改革実行本部の仕事なのです。 「政治の血液サラサラに」を合い言葉に自民党が打ち出した国政選挙の候補者公募制度は、党改革の大きな目玉の1つで、公募制の導入に踏み切る動きが全国的に広がりをみせています。 衆院宮城2区の補欠選挙に立候補した秋葉賢也元宮城県議も27人の応募者の中から選ばれた公募候補者。最近では、京都府連が今月2日、2区と6区の合同で第5回選考委員会を開き、両選挙区の最終合格者を決定しました。
京都府2区は弱冠29歳の山本朋広さん、同6区は経営学修士(MBA)の資格を持つ井澤京子さん。「政治の血液サラサラ」の2人の今後の活躍が楽しみです。
「昭和の日」「みどりの日」決まる
私が法案提出者の一人となっている議員立法、「国民の祝日に関する法律の改正案」が4月1日、衆議院内閣委員会で可決されました。
祝日法案には2つの祝日が盛り込まれています。
1つは、「昭和の日」。昭和の時代に「天皇誕生日」として広く国民に親しまれた4月29日を、昭和を記念する「昭和の日」として新たに祝日とします。
もう1つは、「みどりの日」です。
4月29日は、既に「みどりの日」として祝日とされていますが、その祝日とされる趣旨は「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」とされており、緑豊かな我が国にとって極めて有意義であり、定着しているところでもあります。こうした「みどりの日」の意義や休日の増加による影響にも配慮しつつ、青葉若葉の季節であり、ゴールデンウィークの一日である5月4日を新たに「みどりの日」とすることにします。
さらに、国民の祝日が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い国民の祝日でない日を休日とします。
なお祝日法案は、5日に衆院を通過、参院に送付され、2007年からの実現を目指します。
国際競争力の強化策検討へ
根本匠です。今回は、わが国産業の国際競争力強化に向けた自民党の取り組みについてご説明します。
1980年代半ば、日本の激しい追い上げに危機感を抱いた米政府は、産学の代表から成る産業競争力委員会を発足させ、米国の産業競争力の問題点や問題克服の方途を示した「ヤング・リポート」を2年がかりでまとめ上げました。
米国はその後、このリポートを処方箋として活用、産学官一体となって戦略研究開発を推進し、米国の産業競争力は宇宙開発やIT、ゲノム(人間の全遺伝情報)解読などの戦略的分野で驚異的な復活を遂げました。 この「ヤング・リポート」から19年後の昨年末、米国際競争力委員会が競争力維持の指針を示した「イノベート・アメリカ」をまとめ、技術革新強化地域(5年間で10カ所)の創設など人材や投資、インフラに関する37の提言を打ち出しました(このリポートは、IBMのパルサミーノ会長が中心になってまとめたことから「パルサミーノ・リポート」とも呼ばれており、日欧でも注目を集めています)。
わが国の場合も、中長期的な経済社会の活力を維持・強化していくにはわが国産業の競争力を強化する必要があり、産官学挙げての取り組みが求められています。
が、現状はどうでしょう。「科学技術創造立国」など響きの良い言葉は飛び出すが、技術革新への取り組みを後押しする国家戦略や総合的な政策体系が確立されているとは言い難い。
宇宙開発を例にとっても、国産主力「HIIA」7号機の打ち上げに成功したから良かったが、仮に前回の6号機に続き今回もまた失敗していたら、「無駄遣い」「もうやめちゃえ」批判に抗しきれなかったかもしれません。金融面における国際競争力の弱体化も言うに及ばず、です。
また、国際競争力という点では、児童・生徒の学力低下も目に余るものがあり、早急に対応を考えなければなりません。
そこで自民党は、政務調査会内に「国際競争力調査会」を設置、わが国産業の国際競争力を強化するための総合的な対策を検討することにしました。
与謝野馨政調会長が会長を務め、村井仁会長代理と事務局長の私が補佐。週1回の頻度で会合を開き、研究開発の促進や中小・ベンチャー企業の振興など戦略的な産業政策の在り方、教育・人材育成、国際競争力の観点からのインフラ整備や社会保障政策などについて徹底的に議論、6月をめどに論点メモを取りまとめる方針です。
短期決戦ですが、「ヤング・リポート」や「パルサミーノ・リポート」にも負けないリポートを、と考えております。期待してください。
党主導で財政改革を議論
根本匠です。自民党内に設置された「財政改革研究会」(会長・与謝野馨政調会長)が話題を呼んでいます。
この研究会、柳沢伯夫政調会長代理の肝煎りで設置されたもので、中長期的な財政の持続可能性を確保するために財政全般にわたって改革の具体策を検討するのが狙いです。私も20人の委員の一人として研究会に加わりました。
柳沢さんは、初代の金融担当大臣として金融システム安定化に積極的に取り組み、市場からも高い評価を受けた実績があり、現在は与謝野政調会長を補佐する政調会長代理として三位一体改革などについて党側の主導的役割を果たされています。 「財政改革研究会」は、「財政改革は党主導で進めていくべきである」との柳沢さんの主張に与謝野政調会長が賛同したことから設置が決まったもので、マスコミは政府の経済財政諮問会議への「対抗色を鮮明にしている」などと挑発的に報じています。
しかし、橋本内閣当時の財政構造改革法のような法律をつくろうと意気込んでいるわけではなく、経済財政諮問会議の骨太の方針や平成十八年度予算のシーリング・税制開会制などのスケジュールも置くことなく、あくまでも党の立場で財政改革についての議論を進めていく方針です。
ただし、私たちの議論が政府側の政策決定と結びつく状況になった場合には、当然のことながら党側の意見を反映するよう政府に働きかけていくことになります。
今年の秋をめどに中間とりまとめ、1年後に最終とりまとめを行う予定ですが、みんなやる気満々。面白い会合になりそうです。
雪害の凄まじさを実感し
根本匠です。
中越大地震、インド洋大津波と大規模な災害が頻発していますが、私の地元・福島でも1月中旬の大雪によりパイプハウスや畜舎の倒壊などの被害が発生、農業経営などに深刻な影響をもたらしました。被害に遭われた方々には心から御見舞い申し上げます。
私も豪雪の被害状況を調査すべく、先月30日に安達郡東和町を訪ねました。
東和町では、先月16日から17日未明にかけて80cmから1m程度の積雪があり、「日本三大旗祭り」の一つとして知られている「木幡の幡祭り」の行列でも馴染みの一ノ鳥居の松の枝が雪の重みで折損。スクールバスの運行ができず学校が休校になるなどの影響が出ました。
東和町経済への影響も大きく、農業施設では50棟を超えるパイプハウスが倒壊。畜舎や蚕室の全半壊などの被害も出ており、雪害の凄まじさを実感しました。
2月に入っても、南九州や八丈島などふだん雪が降らない地域で降雪を観測するなど雪害はこれからも発生する可能性は十分に考えられます。雪害防止への取り組みはもとより、被害が生じた際の救済策についても万全を期す必要があります。
初心忘るべからず
今日、1月21日、第162回通常国会が開会されました。
初心忘るべからず。
衆議院議員としては中堅の領域に入った今も、時折、十二年前の初当選時の初々しく謙虚な姿勢を思い出しては自分を戒めています。
私の政治家人生は、野党議員が振り出しでしたが、短い野党時代の体験が「政策本位の政治」を目指す一年生政治家・根本匠を逞しく育ててくれました。
政策の立案は与党議員の専売特許ではありません。与野党を問わず、政治家個人個人の不断の努力にかかっているのです。一所懸命努力して能力と技術を磨いていけば、野党議員でも政策の立案は可能です。が、最近の野党議員の中には、そうした地道な努力を省き、できもしない政策を連呼するだけの議員が散見されます。同じ国会議員として嘆かわしい。心の底からそう思います。
政策論争を挑まれれば、正々堂々と受けて立ちますが、世論を間違った方向に誘導していくポピュリズム(大衆迎合主義)とは徹底的に戦い、排除していかなければなりません。
脱デフレ政策総仕上げの年
根本匠です。明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
今年の干支は酉(とり)。相場の格言集によれば、「未(ひつじ)辛抱、申(さる)酉騒ぐ」といわれており、去年に続き「騒ぐ」年になりそうです。
酉年は革命の年だともいわれております。
60年前の酉年(1945年)は終戦の年。前回の酉年(1993年)は、7月に行われた第40回総選挙で自民党が事実上敗北を喫し、38年ぶりに政権を明け渡し野党に転じた年でした。
私はこの選挙で衆議院議員に当選したわけですから、私の議員活動も今年でちょうどひと回りしたことになります。
さて、2005年の酉年はどんな年になるでしょう。
何といっても日本経済の行方が気になりますが、足元の景気は底堅さを維持しており、米国経済と中国経済の減速も心配するほどではないと思います。
4月からのペイオフ(預金の払戻保証額を元本1000万円とその利息とする措置)の全面解禁も予定通り。量的緩和策の解除のタイミング、つまりデフレの出口を探る重要な年になりそうです。
通常国会は21日に開幕、今年度補正予算案、来年度当初予算案、重要法案の早期成立など懸案の処理に全力をあげます。
一方、日朝(拉致問題)やイラク復興などの外交案件も目白押しですが、恐れずひるまず取り組んでいきます。
党務では、広報本部長として自民党結党50年関連事業を滞りなく執り行う責務を果たすべく努力します。また、自民党改革にも引き続き取り組んでいきます。