そのとき、
匠が動いた!
原発事故からの里山再生・林業再生
東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う福島県内の除染について環境省は、人の健康の保護という観点から、これまで住宅や道路などの除染を優先的に行ってきました。一方、森林の除染は、森林が県土全体の約7割という広大なエリアを占めるため、住宅や農地に隣接する森林についてのみ生活圏から20m以内のエリアと、キャンプ場やキノコ栽培など人が立ち入る場所のみを行うこととしました。ところが、県内の市町村や森林組合の方々から森林の全面除染に向けた調査研究を続けてほしいなど見直しを求める声が多数寄せられるとともに、福島県からも強い要請を受けました。
そのとき、
匠が動いた!
匠が動いた!
故郷の思いに応えるべく立ち上がった根本匠は、森林を住民が立ち入る可能性のある「里山」と、それ以外の「奥山」に分類。「里山」では、都市と山村の交流の場として全国的に見直されてきた里山を復活させることを基本方針にした「里山再生モデル事業」を立ち上げました。散策道や林道、休憩所、駐車場など地域の要望を踏まえながら実質的に除染対象を拡大することを決断。また、人があまり入り込まない「奥山」は、間伐等の森林整備と放射性物質対策を一体的に実施する事業や、林業再生に向けた実証事業などを行う「林業再生モデル事業」を実施することで、森林の放射線量のモニタリング、放射性物質の動態把握や放射線量低減のための調査研究に引き続き取り組みながら、森林・林業の再生のためのプログラムを将来にわたって継続していくことを決めました。縦割りではなく、各省庁が横断的に一丸となって物事を解決する「根本匠タスクフォース」のように、除染を管轄する環境省、林業担当の農林水産省、復興を担う復興庁の3つの省庁のプロジェクトとして根本匠がまとめ上げたのです。