滑川地区工業団地
〜工業団地整備の
“リーディングプロジェクト”に〜
「滑川地区を工業団地として整備したいのですが・・・」
令和5(2023)年9月、根本匠は橋本克也須賀川市長からこんな相談を受けます。須賀川市滑川地区は国道4号に接し、東北自動車道の須賀川ICや郡山南ICまで約6㎞圏内であるなど立地特性に優れている一方、不整形な農地が多いために大型農機具が使えず、農業用水を確保するには近くの川の取水堰からポンプアップする必要がある上、その取水堰が老朽化。改修には費用がかさむなど厳しい状況にあり、多くの農家が離農を考えています。そのため地元からは長年、工業団地整備の要請を受けていましたが、滑川地区の農地は市街化調整区域内にあるうえに、農用地区域及び第一種農地と定められているため、このままでは工業団地として農地転用ができません。市街化区域への編入も困難。須賀川市は、打開策が見出せずにいました。
根本は、地域経済にプラスの効果を生み出す事業を促進するために市街化調整区域の開発や農地転用を容易にする「地域未来投資促進法」の活用を考えつきます。根本は関係する経産省、農水省、国交省の3省と協議。この法律を活用する上での数々の課題を集約し、解を出し、滑川地区の工業団地の整備を可能にする「匠のシナリオ」を練り上げました。
関係省庁との協議を終えた根本は11月13日、須賀川市を訪れ、橋本市長や市の幹部にこの「匠のシナリオ」を説明。この後、市長と現地を視察するとともに、滑川地区の代表者とも懇談。長年、工業団地整備を強く要請されてきたことを再認識するとともに、滑川地区は農地には不向きな土地であることを改めて実感したのです。根本はさらに、このプロジェクトが円滑に進むためには福島県と須賀川市が一体となって取り組むことも必要と考え、内堀雅雄知事とも話し合い、県においても鈴木正晃副知事を司令塔とした事業の推進体制を整えてもらうことになりました。この「匠のシナリオ」に基づく工業団地整備は、「モデル地区」として他の地域においても参考となるものとなるでしょう。