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根本 匠ねもと たくみ

自民党東日本大震災復興加速化本部長
国家基本政策委員長 衆議院議員
福島県第二選挙区支部郡山市/須賀川市・鏡石町・天栄村/田村市・三春町
・小野町/石川町・玉川村・平田村・浅川町・古殿町
そのとき、匠が動いた! 60選
61
全国

心理職のための
国家資格(公認心理師)創設

根本匠が「臨床心理士」の国家資格化に取り組み始めたのは平成17(2005)年。臨床心理士は、既に「こころの問題」の専門家として、医療現場や学校のスクールカウンセラー、刑務所における受刑者のカウンセリングなど幅広く活躍していたが、国家資格にはなっていなかった。複雑化する社会の中で心の問題に関する専門的な相談の重要性はますます大きくなっていく。民間資格と国家資格とでは、行政機関での任用や診療報酬等の制度における評価が大きく異なる。
根本は、管理栄養士、理・美容師、言語聴覚士等の資格について国家資格化を実現してきたが、臨床心理士はまだ国家資格化されていない。臨床心理士の業務がきちんと評価される意味でも国家資格化は必須だが、臨床心理士には教育系と医療系があり団体間の調整も難しい。「議員立法によるしかない」と根本は考えた。

そのとき、匠が動いた!

議員立法化の作業は、教育系の河村建夫、岸田文雄、医療系の鴨下一郎、医療系から中立の立場での根本の4人が中心となり、文部科学省、厚生労働省の課長と徹底的に議論。根本は事務局長として法案をとりまとめたが、「臨床心理士」の名称など条文の一部で関係団体との調整が長引き、議員立法化には至らなかった。しかし、その後も国家資格化の火は燃え続け、平成24(2012)年から各党で再度本格的な議論が始まった。衆議院議員選挙で復活当選を果たした根本はすぐに第2次安倍内閣の復興大臣を拝命するが、この問題には関わり続けるという思いで議員連盟に会長代行として復帰、議員立法に向けた動きは一気に加速する。資格の名称について、医療関係団体から依然として異論があるなど調整はなお難航したが、平成26年6月に公認心理師法案が国会に提出され平成27年9月に成立。「公認心理師」として国家資格化された。
平成30年、第1回の公認心理師試験の実施に当たり、根本は再度動く。公認心理師試験は全国各地で行われることになっていたが、当初東北地方には試験会場はなかった。そうなると東北地方の受験生は東京や名古屋まで行かなければ試験を受けることができない。福島県臨床心理士会会長の安部郁子などから「東北地方にも会場を設置していただきたい」と懇請された根本は、すぐさま厚生労働省に掛け合う。「国家試験であるにもかかわらず、これではあまりに不公平だ」。根本の直談判で、仙台に試験場が追加されることになったのである。
平成30年10月、根本は公認心理師を所管(文部科学省との共管)する厚生労働大臣に就任。自身が手がけた公認心理師の最初の免許状を「厚生労働大臣 根本匠」の名において交付したのである。