「昇口」の舗装を国費で支援
-飯舘村-
「までい」の精神で日本一美しい村づくりを目指してきた飯舘村は、総面積の3/4を山林が占める地形のため、「昇口(じょうぐち)」と呼ばれる長い私道(生活道路)を介して公道に接している民家が数多く存在する。東京電力福島第一原子力発電所事故の被災自治体である飯舘村は、「昇口」の舗装を行うことで放射線への不安を払拭し、住民の方々が避難先から村に戻った際の利便性を高めたい、との希望を持っており、復興大臣の根本匠は村長の菅野典雄から正式に要望を受ける。
そのとき、匠が動いた!
根本は、早速事務方に検討を指示したが、国の予算制度には「個人の財産形成を行うことはできない」という原則があり、打開策が見出せない。そこで根本自らアイデアを示し、関係省庁で調整を図るよう指示。①村が事業主体となって「昇口」の舗装を行う、②土地の所有権は個人のままだが、舗装部分は村の所有物とする、③舗装部分の日常的な管理は、村と所有者の協定により所有者が行うこととする、④「昇口」の所有者にも費用の一部を負担してもらうという形で、根本の指示により創設された「福島再生加速化交付金」による支援が実現した。この交付金をつくる過程で、根本は被災自治体のニーズを幅広く聴き取るよう事務方に指示するだけでなく、自らも現場に足を運び首長や地元住民の皆さんから直接話を聞いており、「昇口」の舗装もこうした「現場主義」の成果の一つである。