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根本 匠ねもと たくみ

自民党東日本大震災復興加速化本部長
国家基本政策委員長 衆議院議員
福島県第二選挙区支部郡山市/須賀川市・鏡石町・天栄村/田村市・三春町
・小野町/石川町・玉川村・平田村・浅川町・古殿町

「子ども元気復活交付金」

東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所の事故により、福島県内の子どもたちは屋外での活動を制限され、真夏でも屋内での活動を余儀なくされた。屋外でのびのび遊べないストレスや運動不足により子どもたちの体力は低下する一方、肥満は増加し、保護者の不安は一層募っていく。郡山市は、当時の民主党政権に「子どもたちのために屋内運動施設を作ってほしい」と繰り返し陳情したが、政府が動くことはなかった。親御さんたちは放射線への不安を募らせ、除染をしても既存の屋外遊具では子どもを遊ばせたがらない。そうした中、郡山市と郡山医師会が子ども達の明るい笑顔を呼び戻すために立ち上げた「郡山市震災後子どもの心のケアプロジェクトチーム」が、株式会社ヨークベニマルから郡山市横塚の土地・建物等の提供を受け、東北最大となる屋内遊び場「PEP Kids Koriyama(ペップキッズこおりやま)」をオープンさせた。

そのとき、匠が動いた!

体力が低下し肥満は増加するという子どもたちの現状を憂慮する根本匠。「福島復興のためには子どもたちの活力が必要。日本一住みやすい、育児をしやすい、学びやすい魅力ある地域をつくる」との考えから、復興大臣に就任するや、福島特有の課題にきめ細かく対応するための「福島ふるさと復活プロジェクト」、を立ち上げ、3つの柱となる事業を創設。その一つが「子ども元気復活交付金」で、間髪を入れず本宮市長の高松義行から要請を受ける。本宮市の「スマイルキッズパーク」という室内の遊び場に、「主に小学校中学年向けにクライミングウォールや雲梯、登り棒等の遊具を備えたアスリートエリアを増設したい」との要請に、根本は「これを使ったらいい」と即答。本宮のこの案件が「子ども元気復活交付金」の適用第1号となったのだ。
この「子ども元気復活交付金」のヒントになったのが、郡山市の菊池信太郎医師(小児科)らが震災直後にNPO法人を立ち上げ、市内に開設した「PEP Kids Koriyama(ペップキッズこおりやま)」。東北最大級の屋内砂場を備えた屋内運動施設で、子どもの心と体と頭を伸ばすのに必要な36の基本動作を身につける遊具が配置され、連日大勢の子どもたちで賑わっている。根本は安倍総理にも是非、この施設を見てもらおうと、毎月のように被災地を訪れる安倍の視察コースに組み込み、就任から3カ月後に視察が実現している。

さらに、匠が動いた!
郡山しんきんプール、二本松しんきんプール

郡山市の開成山しんきんプールも、「子ども元気復活交付金」を活用したものだ。郡山市は、伊藤清郷ら水泳や体育の関係者の要望を受け、「団体等の競技用公認プールを創りたい」と復興庁と協議するが、難航し暗礁に乗り上げる。競技用の公認プールなら水深は2メートル必要になるが、「子ども元気復活交付金」の趣旨や考え方からすれば、通常は水深は1. 4メートルあれば良い。この話を聞いた根本匠も、競技用の公認プールの必要性は理解しており、早速知恵を出す。「『子ども元気復活交付金』は国費100%で自治体の負担はない。ならば、水深1.4メートルまでは国が、これを超える深さ2メートルまでの部分は郡山市が自己財源で負担する、という費用のアロケーション(分担)をすれば良い。水中の深さも、用途に応じ工夫できるのではないか」根本案を復興庁と郡山市が受け入れ、総事業費42億円、国費35億、郡山市負担7億で決着したのである。
二本松しんきんプールも、「流れるプール」の部分はレジャー用で、「そこまでは認められない」(復興庁)として協議は停滞。ここでも根本が知恵を出す。「流れるプール」は二本松市が負担することとし、政策通の新野洋市長が決断。二本松市の財源として合併債を活用した。合併債なら元利償還費の7割が交付税措置ができるのだ。国との協議は、総事業費27億円、国費24億円、二本松市負担3億円で決着。どうしたら実現できるか、最後まで知恵を出す。根本の真骨頂だ。
「子ども元気復活交付金」は、福島県内の自治体や私立の保育所・幼稚園が園内遊具の更新や、365日、雨や雪の日でも遊べる全天候型の運動施設の整備、さらには子どもたちの遊びや運動への興味を引き出し、心のケアをも担う「プレイリーダー」の育成など、ハード・ソフトの両面で、子どもたちが思う存分運動できる環境の整備に役立っている。除染したにも関わらず、不安がって遊ばせようともしなかった屋外遊具も、一新することで子どもたちが戻ってくるようになり、子どもたちの体力増進・肥満解消につながっていく。平成25年に交付金の交付を開始してから8年(東日本大震災から10年)が経過した時点で、「運動施設の整備」に64施設(屋内運動施設30施設、屋外運動施設34施設)、「遊具の更新」を行った施設が644箇所、さらに「運動施設整備と一体的に行うプレイリーダー養成等のソフト事業」を実施したのが9市町村に上る。
なお、現在は「福島再生加速化交付金」として、避難指示受けた12市町村のエリアに限定されている。

●郡山市「 郡山しんきん開成山プール」
●二本松市 「二本松しんきん城山プール」
●本宮市「 プリンス・ウイリアムズ・パーク」、「まゆみアリーナ」
●大玉村「 大玉村民屋内運動場」