福島県産米の出荷自粛問題
平成23(2011)年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、福島県は平成24(2014)年産米の全量全袋検査を独自に実施。安全性が確認されたにもかかわらず、国は地域のモニタリング(抽出)検査が終了するまでは出荷を自粛するよう方針を打ち出していました。これを受けて大玉村長の浅和定次らが、当時の民主党政府や農水大臣、福島県に陳情を繰り返したが、出荷時期を迎えても一向に改善策が講じられない。このままでは「新米」の時期に出荷できないまま「古米」になり、農家は経済的に大きな打撃を受ける恐れがあった。
そのとき、匠が動いた!
9月下旬に専業農家の佐藤幸次や佐久間俊一らからこの問題を聞いた根本匠は憤慨。急遽、10月3日に農水省と東北農政局の担当官を郡山に招き、関係者との意見交換会を実施する。8日、9日の両日も自民党の農政責任者である宮腰光寛と共に現地調査を行い、関係者と意見交換。翌10日には根本が自民党の農林部会に乗り込み、「福島県は独自の取り組みとして、国が各県に指示するサンプリング検査を超えて、全量全袋検査で安全を担保している。県の制度を正しく評価し、米の出荷を認めよ。国の制度に県の制度を重ねて考えるべきだ」と提言、制度上の不合理なルール等問題点を指摘し、具体的な改善策を提起した。
その結果、翌11日に農水省が安全が担保された新米から出荷できるよう検査体制を見直すことを表明。14日には大玉村、翌15日には郡山市でそれぞれ出荷自粛が解除され、全量全袋検査済米を「新米」として販売できるようになった。「漢方未来米」を創る専業農家の古川勝幸は、百貨店との契約が「10月21日」に迫っており、ギリギリのところで出荷でき、経営への打撃を免れた。