手負いの獅子に諫言する
〜自民党若手5人組が促す「総理の重大な決断」〜
盟友・塩崎恭久氏ら自民党の若手5議員の座談会に於ける根本匠の発言内容(要約)をご紹介します。
【小泉内閣の評価】
「構造改革にますます気合いが入っている。『小泉+真紀子内閣』から、小泉さん1人だけになっても50%以上の支持率は大したもの。小泉さんには最低3年は頑張って改革を進めてもらわなければならない」
【不良債権問題】
「私や塩崎さんや石原(伸晃)さんが98年に一緒になってつくった金融再生トータルプランで、公的資金から債権流動化策まで、ツールはほぼ100%用意した。その上、小渕内閣(当時)が9兆円の大減税と公共投資で痛み止めもちゃんとやったのだから、あの時一気に直接償却しておけばよかった」
「不良債権処理には、金融と産業の一体再生が必要。過剰債務を抱えた企業の再編・淘汰により、新たなプレーヤーが生まれ、金融システムの目詰まりが解消する。過剰債務企業の退場を促すのは市場の役割で、政府がなすべきはそれを後押しするような包括的政策だろう。企業の再編・淘汰が進んだ結果、資本不足の銀行が出てくれば、躊躇せず公的資金を注入すべきだ」
「公的資金注入に関する論点は2つ。1つは、金融庁を信頼すれば現時点では自己資本不足に陥る金融機関はない。ただ厳正な特別検査の結果次第ではあり得、公的資金を資本注入することになる。もう1つは、今後のデフレ要因を加味するかどうかで、デフレが続けば地価はさらに下がり、収益力も低下するため、さらなる引き当てが必要になる。現時点で予防的な特別引き当てを行えば、自己資本不足に陥るから資本注入は不可避。議論の分かれるのはこの点だ」
「不良債権問題の焦点は、数千億から1兆円規模の過剰債務を抱える上場企業問題。ところが、地方の信金、信組への金融検査・監督もあまりに厳しいため、本来生き残れる中小企業まで倒産に追い込まれる事態が起きている。地域を支える中小企業を失血死させないために、政策のターゲットを上場企業と分けて対処する必要がある」
【デフレ対策】
「地価や株価が下がる資産デフレを是正するために、(1)貯蓄優遇税制から投資優遇税制に切り替え、個人投資家を呼び込み資本市場を活性化させる、(2)土地需要を喚起するため、住宅取得時の贈与特例枠を拡大する、等の対策を提言。脱デフレに向けて政策を総動員すべきで、30兆円枠を超えた財政出動も検討の余地がある」