日本、アジアへのゲートウェイを目指す
−活力あるアジア地域で中心的役割を果たすことを希望する−
Connie Er記者
日本をアジアのゲートウェイに
アジア地域の経済活力を生かし、日本の成長を加速するべく東京が熱心に促進しようとしている新しい考えである。
日本はまた、アジア地域の経済において中心的役割を果たしたい。
アジア・ゲートウェイ構想の具体化を担う安倍総理の補佐官、根本匠氏は語る。
「人・モノ・資金・文化・情報の流れにおいて、日本がアジアと世界の架け橋になることを目指す」と、根本氏は水曜日(11月29日)のシンガポール訪問の際に記者に述べた。
「今回の訪問はアジア・ゲートウェイ構想についての自分の考えを深めるためのものである」と世界経済フォーラムのインド経済サミットに出席し、インドからシンガポールに到着した同氏は言った。
「現職に就いて初の海外出張でインドとシンガポールを訪れたのは、我が国が両国とより強い関係を持ちたいと考えているため」だという。
根本氏(55歳)は、9月に総裁選後に安倍首相が官邸に置いた五人の総理補佐官のうちの一人である。今回は、PSA視察後、GICのマネージメントと面会したほか、レイモンド・リム運輸相やトミー・コー無任所大使と会談を持ったということである。
シンガポールもまたアジアへのゲートウェイとみられているが、根本氏はシンガポールと競合するものではないという。
「シンガポールとあまり競合するようには思わない。むしろ、我々は共に努力できると思う。シンガポールは日本にとって最初のFTA締結国であり、我々は相互にメリットがある(win-win)状況にできる」
アジア・ゲートウェイ構想は安倍首相の9月の最初の所信表明演説で表明されており、日本の首相はアジア諸国とのパートナーシップを強化することで経済成長を目指している。
「アジアと世界から人材や情報が日本に集まり、それが日本から世界に発信されるようになるだろう」と、安倍首相は先月初頭に開催されたアジア・ゲートウェイ戦略会議(10人のメンバーで構成。首相が議長、根本氏が議長代理)の第1回会議で述べた。
同会議は来年6月に報告書を出すと読売新聞は報道している。
根本氏はこのほか、2010年までにGDP比で対日投資を倍増させるための政策の導入、アニメや音楽、食を含めた日本文化の海外発信の強化を担当している。
根本氏は、アジア・ゲートウェイ構想は日本が力強い経済成長を達成する基盤となると述べた。
「公表されている数値によれば、我々は名目3%の成長を達成できるとされており、個人的にはこれを超えると確信している」とした。
同氏の経済財政担当の総理補佐官としての役割が大田経済大臣(内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当))と重複するのではないかという点については、そうした見方を否定した。
「もちろん、政策の多くは各省が所管しているが、自分の役割はそうした政策に付加価値を足すことだと考えている。言い換えれば、与えられた優れた食材に味付けをするシェフのようなものであり、自分は有能なシェフでありたいと思う」と述べた。
小泉前政権を構造改革政権だと呼ぶならば、「安倍政権はイノベーションとオープンネスの政権と呼ばれうる」と根本氏は述べた。